Metaは、2026年10月30日に発効するとしていた「Meta商用利用規約」の更新版の発効日を、11月20日に延期しました。規約ページの告知文で確かめられます。事業者のサイトを自動ソフトウェアでクロールすることを許諾させる条項は、更新版に残ったままです。出版社の団体からは、発効前に規約を撤回するよう求める書簡が出ています。
発表の内容
変わること
- 発効日。10月30日から11月20日へ。現在有効な版と更新版プレビューのどちらにも「Meta商用利用規約が更新されます。更新後の規約は2026年11月20日より有効となります。」の告知が出ています
変わらないこと
- クロール条項。Metaや代行業者が自動ソフトウェア(ウェブスクレーパー、ボット、クローラーなど)で、事業者の商品やサービスに関連付けられたドメイン・ウェブページ・URLにアクセスします。インデックスの作成、キャッシュ化、分析、取得、検索、クローリング、定期的な更新の取得、テスト認証情報の作成まで許可する内容です
- 目的の並び。広告およびビジネス製品を提供、開発、改善、調査、保守すること、あるいはMeta社製品の保全やセキュリティを維持することです。日本語版の更新版に「学習」「トレーニング」の語はありません
- 更新版プレビューの末尾の表記。10月26日の時点で「発効日: 2026年10月30日」のままで、冒頭の告知と日付が食い違っています
現行の規約(2024年3月6日発効)との関係と、延期の理由は次のとおりです。
- 現行の規約の該当箇所は見出しが「ライセンス:」だけで、クローラーやスクレーパーに関する記述はありません。少なくともこの商用利用規約のページ上では、更新版で新しく入る条項です。報道によれば、Metaは規約の更新は既存の規約の整理だと説明しています
- Social Media Todayは、延期をロイターの10月23日の報道として伝えたうえで、Metaがロイターに対し、問題はおおむね誤解によるもので文言を説明する時間が必要だと述べたこと、規約はAI学習のためのデータ収集ではなく既存の規約の整理だと説明したこと、クローラーはrobots.txtで拒否できるとしたことを伝えています。延期の理由はMetaの規約ページには書かれていません
- 出版社側の動きはDigidayが報じています。2,000社以上が加盟するNews/Media Allianceが10月22日、社長兼CEOのDanielle Coffey名でマーク・ザッカーバーグ宛に、当初の発効日だった10月30日より前に更新版を撤回するよう求める書簡を送りました。120か国の2万社以上が加盟するWorld Association of News Publishersも、同じ10月22日に書簡を出しています
編集部の見方
3週間、猶予ができました。10月30日に間に合わせようと社内の確認を急いでいた会社には、素直にありがたい延期だと思います。
ただ、延びたのは日付だけです。クロールを許諾させる条項はそのまま残っていて、目的に「開発、改善、調査」が並ぶところも動いていません。延期を立ち消えと読むと、11月20日に同じものが来ます。
気になったのは、更新版プレビューのページそのものです。冒頭には11月20日と書いてあるのに、末尾の発効日は10月30日のまま。10月26日に開いて確かめました。社内に共有するときにどちらを書くか、迷った人はいると思います。
やることは10月19日に書いたときと変わりません。法務と情報システムの担当に文面を回しておく。サーバーのログでMetaのクローラーがどれくらい来ているかを見ておく。11月20日の前に、日本語版の最終版をもう一度確かめて書きます。
出典
- Meta商用利用規約(更新版のプレビュー) Meta
- Meta商用利用規約(現在有効な版) Meta
- Meta delays business terms update over data scraping concerns Social Media Today・Andrew Hutchinson・2026年10月25日
- Meta delays rollout of updated commercial terms amid publishers' collective pushback Digiday・Sara Guaglione・2026年10月26日



