消費者庁は2026年10月28日、飯田グループホールディングスと共同で注文住宅の建築請負に係る役務を供給する4社に対し、景品表示法第8条第1項に基づく課徴金納付命令を出しました。対象は「No.1 日本トレンドリサーチ 土地情報が豊富な注文住宅会社」などの表示です。課徴金は4社の合計で4億4116万円になりました。
発表の内容
- 命令を受けたのは住宅情報館、一建設、飯田産業、アーネストワンの4社です。課徴金額は順に1億6703万円、1億2439万円、3691万円、1億1283万円
- 表示の中身は「飯田グループの注文住宅は3項目で顧客満足度No.1」「No.1 日本トレンドリサーチ 高品質なのにローコストな注文住宅会社」など。あわせて一建設は「飯田グループは皆様に選ばれて3冠達成!」、飯田産業は「飯田グループは皆様に選ばれて3冠を達成いたしました!」、アーネストワンは「信頼の3冠獲得 第1位」とも書いていました
- 媒体は、住宅情報館が千葉県・群馬県・埼玉県・東京都の各市で配ったポスティングチラシ2種。ほかの3社は自社ウェブサイトです。アーネストワンは同社が運営する別のサイトも対象になりました
- 表示していた日は連続していません。飯田産業は2023年6月7日と9月15日の2日だけ。一建設は6月7日と、8月16日から9月13日まで。アーネストワンは自社サイトが6月7日と9月15日、運営する別サイトが6月7日と8月9日から9月20日まで。住宅情報館のチラシは2022年2月18日から3月3日と、3月14日から26日に配られました
- これとは別に、課徴金の計算の起点になる「課徴金対象行為をした期間」が別表に定められています。住宅情報館は配布地域ごとで、千葉県の9市が2022年2月18日から3月26日まで、群馬県・埼玉県・東京都が3月14日から26日まで。残る3社は2023年6月7日から、それぞれ9月13日・9月15日・9月20日までです
- 消費者庁が問題にしたのは、順位の根拠にした調査のほうです。飯田グループホールディングスが委託した事業者の調査は、回答者が実際に利用したことがある者か、知見等を有する者かを確認することなく行われていました
- 比べる相手は、飯田グループホールディングスと特定9事業者のみ。委託を受けた事業者が同種の役務を提供する事業者の中から指定した9社です
- 聞いていたのは、各事業者のウェブサイトの印象。消費者庁は「それぞれ客観的な調査に基づくものではなかった」とし、表示も調査結果を正確かつ適正に引用していないとしました
- 4社はいずれも、根拠とされる調査結果が客観的な調査に基づくものか、調査結果と表示内容が適切に対応しているかについて、十分な検証を行っていなかったとされています
- 納付の期限は2027年5月31日
この4社には前段があります。2024年2月29日、同じ注文住宅の建築請負に係る役務の表示をめぐり、飯田グループホールディングスを含む5社に措置命令が出ています(公表は3月1日、景品表示法第5条第1号の優良誤認)。今回の4社は、その5社から飯田グループホールディングスを除いた4社で、法人番号も一致します。ただし今回の発表に、措置命令への言及はありません。
編集部の見方
4億4116万円。注文住宅は単価が高く、別表の売上額を足すと4社で約147億円になります。課徴金は各社の売上額の3%を1万円未満で切り捨てた額で、その合計です。
回答者が家を建てた人かどうかは、確かめていません。聞いたのは各事業者のウェブサイトの印象で、比べる相手も委託先が選んだ9社です。この調査をもとに「土地情報が豊富な注文住宅会社」のNo.1として広告に出せば、読んだ人は実績の順位だと受け取ります。消費者庁は、表示が調査結果を正確かつ適正に引用したものでもなかった、ともしています。
消費者庁は2024年9月の実態調査報告書の公表資料でも、主観的評価を指標とするNo.1表示には合理的な根拠に基づいているとはいえないものもある、と書いていました。あのときは考え方の整理です。今回は課徴金になりました。4社についても「十分な検証を行うことなく」と書かれています。調査を外に委託していても、出てきた結果を広告に載せた側の責任は残る、という読み方になります。
No.1と書くなら、その調査が誰に何を聞いたものかを先に見る。自社の表示なら、根拠の調査票を開くだけで済みます。
出典
- 注文住宅の建築請負に係る役務の提供事業者4社に対する景品表示法に基づく課徴金納付命令について 消費者庁・2026年10月28日
- 飯田グループホールディングス株式会社ほか4社に対する景品表示法に基づく措置命令について 消費者庁・2024年3月1日
- No.1表示に関する実態調査報告書の公表について 消費者庁・2024年9月26日

