「キーワードは検索ボリュームの大きい順に選ぶもの」と考えられがちです。けれど、検索回数の多い語ほど、ほかのサイトと同じことしか書けない語になりがちです。
キーワードは、検索回数の多さだけでなく、ユーザーの検索意図を読み解き、自社が一次情報で答えられるものを選定していくことが重要です。
キーワード選定とは、狙う検索語を、検索する人の多さ、検索した人が知りたいこと、自社がその答えを持っているかの3点から選び、どの記事でどの順に書くかを決める作業です。
CONTENTS
キーワード選定とは?全体の流れと関連する作業
キーワード選定は「洗い出す」「数字と意図を確かめる」「優先度を付ける」「記事に割り当てる」の4つの工程で進めます。キーワードを集めることより、どれを選ばないかを決めることのほうが大切です。
「数字と意図を確かめる」と「優先度を付ける」の途中には、検索した人の目的を読み取る「検索意図の確認」と、同じ語で上位にいるサイトを調べる「競合の確認」が入ります。この記事では要点だけを押さえ、検索意図の読み方は 検索意図の4分類と確かめ方 に任せます。
キーワード選定は、SEO戦略のうち「狙う検索需要を決める」部分にあたります。目的やKPIの決め方、キーワード以外の施策も含めた優先順位から考えたいなら、先に SEO戦略の立て方 を読むほうが早道です。
キーワードにはどんな種類がある?ビッグ・ミドル・ロングテールと指名検索
キーワードは検索される回数の多さで、ビッグ・ミドル・ロングテールの3つに分けて考えるのが一般的です。語が短く広いほど検索回数は多く、長く具体的になるほど少なくなる傾向があります。記事が少ないうちは、具体的な語から積み上げるのが基本です。
| 種類 | 語の例 | 検索回数 | 検索した人の目的 | 難易度 |
|---|---|---|---|---|
| ビッグキーワード | SEO | 多い | 幅広く、読み取りにくい | 高い |
| ミドルキーワード | SEO 競合分析 | 中くらい | ある程度しぼれる | 中くらい |
| ロングテールキーワード | SEO 競合分析 シート 無料 | 少ない | 具体的で読み取りやすい | 低いことが多い |
回数の境目に決まった基準はないので、同じテーマの語どうしで比べて相対的に分けます。
ロングテールの語は、1つずつの検索回数が少なくても数が多く、検索した人の目的がはっきりしているぶん記事で答えやすい語です。Googleは、毎日の検索の15%がそれまでになかった新しい検索だと説明しています。ツールに数字が出ない語でも、実際には検索されていることがあるわけです。中小規模のサイトがロングテールから積み上げる理由は、ロングテールキーワード戦略の実践 が具体例で説明しています。
もう1つ押さえておきたいのが、社名やサービス名で探される指名検索です。指名検索はほかのサイトと競合しにくく、認知の広がりを測る指標にもなります。増やし方は 指名検索を増やす戦略 にまとめています。
キーワードを洗い出すには?手順と使うツール
洗い出しは、軸になる語を決めてから、サジェスト・関連語、自分のサイトの検索クエリ、競合、顧客の言葉の経路で候補を広げます。すでに記事があるサイトなら、最初の材料はツールの推定値ではなくSearch Consoleの実際の検索クエリです。
- 軸になる語を決める自社の商品やサービス、得意分野を表す語を数個選ぶ。広すぎる語(「SEO」だけなど)は、次の工程で具体的な語に分けていく
- サジェストと関連語を集める検索窓の候補や「他の人はこちらも検索」に出る語を、ツールでまとめて取得する
- 自分のサイトの検索クエリを見るSearch Consoleの検索パフォーマンスで、すでに表示されている語を書き出す
- 競合が獲得している語を調べる同じテーマで上位にいるサイトが、どんな語で表示されているかを有料ツールで確かめる
- 顧客の言葉を足す問い合わせや営業の現場で実際に聞かれる言い回しを加える
Googleの「SEOスターターガイド」には、ユーザーがあなたのコンテンツを見つけるためにどんな言葉で検索しそうかを考えること、テーマに詳しい人と初心者では使う言葉が違いうることが書かれています。5つ目の「顧客の言葉」はツールでは集めにくいぶん、ほかのサイトとの違いが出やすい材料です。
営業に聞くこと
商談で何度も聞かれる質問と、契約に至らなかった理由は、営業の担当者に聞いておくようにしています。
商談で何度も聞かれる質問は、検索する人が抱えている疑問と重なることが多いはずです。ツールの候補一覧には出てこない言い回しが混ざるので、洗い出しの最後に足すと、選ぶ語の顔ぶれが変わります。サジェストと関連語をまとめて集めるなら、サジェスト・関連キーワードの収集と記事への活用 の手順がそのまま使えます。
| ツール | わかること | 費用 |
|---|---|---|
| Search Console | 自分のサイトが実際に表示された検索クエリと、表示回数・クリック数・掲載順位 | 無料 |
| キーワードプランナー | Googleでの月間平均検索数の推定、関連する語の候補 | 無料(Google広告のアカウントと支払い情報の登録が必要) |
| ラッコキーワード | サジェストや関連語のまとめての取得 | 無料枠あり |
| Googleトレンド | 検索の人気度の推移と、語どうしの比較(相対値) | 無料 |
| Ahrefs・Semrush | 検索数の推定、上位を取る難しさの目安、競合サイトが表示されている語 | 有料 |
キーワードプランナー自体の利用料はかかりませんが、Google広告のアカウントで支払い情報を登録し、設定を終えないとキーワード候補を探せないとGoogleは説明しています。Search Consoleの画面から書き出せるのは1,000行までで、ごく少数の人しか検索していないクエリはプライバシー保護のため表に出ません。
各ツールの料金と、無料のツールに有料のツールを足す順番は、次の記事で比べています。
関連記事SEOツールは無料から入れる?主要11本の料金と有料を足す順番SEOツールは、Search ConsoleとGA4で自サイトの実測を取ってから、足りない作業に合うものを1本ずつ足すのが無駄のない選び方です。主要11ツールの料金と無料枠を公式ページで確かめた表と、体制別の足し方をまとめました。
検索ボリュームはどう見る?数字の出どころと限界
検索ボリュームは推定値で、ツールによって数え方が違います。候補を並べる目安には使えますが、その数字がそのまま自分のサイトへの訪問数になるわけではありません。
| 数字 | 出どころ | 意味 | 注意したいこと |
|---|---|---|---|
| 月間平均検索数 | キーワードプランナー | その語と近い表記を合わせた月間の平均。初期設定は12か月の平均 | 表記の近い語がまとめて数えられる |
| 人気度 | Googleトレンド | 地域と期間の検索全体に対する割合を0〜100に換算した相対値 | 検索回数そのものではない。検索の一部をサンプルにしている |
| 表示回数 | Search Console | 自分のサイトが検索結果に実際に表示された回数 | 自分のサイトが表示された語しかわからない。ごく少ない検索は表に出ない |
| 推定検索数 | Ahrefs・Semrush など | 各社が独自の方法で推定した数 | ツールごとに値が違う。比べるなら同じツールの中で |
Google広告のヘルプによると、キーワードプランナーの月間平均検索数は、キーワードとその類似パターンが検索された平均回数で、選んだ地域や期間の設定によって変わります。もともと広告のためのツールなので、自然検索の記事を企画するときは「語どうしの大小を比べる材料」と割り切って使うのが現実的です。
Googleトレンドの数字は、地域と期間の検索全体に占める割合を0〜100に換算したものです。季節によって需要が動く語や、伸びている語と減っている語を見分けるのに向いています。
検索ボリュームが大きくても、検索結果の画面で用が済んでしまう語もあります。天気や計算、短い定義を調べる検索などは、クリックされにくい傾向があります。検索回数は訪問数の上限の目安であって、見込み数ではありません。検索回数だけで選ばない考え方は ゼロクリック検索時代のキーワード戦略 へ。
優先度はどう付ける?3つの物差しで絞り込む
集めたキーワードは「需要があるか」「検索意図に合う記事を出せるか」「自社が一次情報で答えられるか」の3つの物差しで並べます。3つ目の「自社が一次情報で答えられるか」を物差しに入れるのが、この記事の提案です。
| 物差し | 確かめること | 優先度を上げる例 |
|---|---|---|
| 需要 | 検索回数、季節による変動、事業の目的に近いか | 問い合わせや購入の手前で検索される語 |
| 意図に合う記事 | 上位の記事の型と答えの形に、自分のサイトの記事で応えられるか | 上位が解説記事で、自社も解説記事で答えられる |
| 一次情報 | 自社の経験やデータ、事例で、ほかの記事にない答えを出せるか | 実務で何度も判断してきたテーマ、自社でしか持っていない数字がある |
物差しを当てると、同じ企画の一覧でも順番がはっきり分かれます。COCORO Pulse.の記事の企画表にある語で試すと、次のようになります。
| 語 | 需要 | 意図に合う記事 | 一次情報 | 判定 |
|---|---|---|---|---|
| キーワード選定 | ○ | ○ | ○ | 先に書く |
| noindex | △ | ○ | ○ | 書く。順番は後ろ |
| Semrush Ahrefs 比較 | ○ | ○ | × | 使い比べてから書く |
「キーワード選定」は、この記事のとおり自社の企画表の割り当てを材料にできます。「noindex」は、新規サイトで外し忘れていた例を私が見てきた一方、設定を調べる語なので問い合わせからは遠く、需要は△にしました。「Semrush Ahrefs 比較」は比べて選ぶ段階の語で需要も意図もはっきりしていますが、私は日本語のサイトで2つを使い比べたことがありません。比べた結果を自分たちで出せないまま書けば、上位の比較記事を並べ直すだけになります。
決め方は1行で足ります。一次情報が×の語は材料ができるまで後回しにし、残りは○の多い順に書きます。
需要を確かめる
検索回数は前の章の数字で比べます。あわせて見たいのが、事業の目的との距離です。同じ検索回数でも、サービスを比べている人が使う語と、言葉の意味を調べている人が使う語では、問い合わせにつながる見込みが違います。
検索意図に合う記事を出せるか確かめる
上位の記事の型と答えの形に自分の記事で応えられるかは、実際にその語で検索し、次の記事の読み方で確かめます。
関連記事検索意図とは?広まった4分類の出どころと検索結果での確かめ方検索意図とは、検索した人がその言葉で達成したいことです。Know・Do・Go・Buyの4分類の出どころの違いと、当メディアの対策キーワードで数えた「語の見た目では意図が決まらない」割合、検索結果で意図を確かめる手順を載せました。
同じ語で上位にいるサイトの顔ぶれも見ておきます。公的機関や大手の専門サイトばかりが並ぶ語は、記事の質が同じでも入り込むのに時間がかかります。どのサイトを競合と見なし、どの指標を比べるかを決めるなら SEO競合分析のやり方 から。
自社が一次情報で答えられるか確かめる
最後に、自分たちがその語について、ほかの記事にない答えを持っているかを確かめます。実務で判断してきた経験、自社で集めたデータ、実際の事例のどれかがあれば、その語は優先度を上げます。
需要があるという理由だけで答えを持たない語に手を広げるのは、Googleが検索エンジン向けのコンテンツの警告サインとして挙げている形です(ガイドの問いは トピカルオーソリティとは? で取り上げています)。
選んだキーワードを記事にどう割り当てる?
割り当ての原則は「1記事で1つの検索意図に答える」ことです。検索意図が同じ言い回しは1つの記事にまとめ、意図が違えば記事を分けます。そのうえで、広い語はテーマの全体像を扱うピラー記事に、具体的な語は個別の疑問に答えるクラスター記事に置きます。
言い回しごとに記事を分けたくなる場面はよくあります。しかしGoogleは生成AI機能への最適化ガイドで、検索のされ方のバリエーションごとに別のコンテンツを作ることは、主に順位やAIの回答を操作する目的であれば、大量生成コンテンツの不正使用に関するスパムポリシーの違反になると明記しています。同じガイドは、AIのシステムが同義語や大まかな意味を理解できるとも説明しています。
同じ検索意図の記事が自分のサイトに2本以上あると、どちらを表示するか検索エンジンが迷い、評価が分かれることがあります。これがキーワードカニバリゼーションです。見つけ方と解消の手順は キーワードカニバリゼーションの見つけ方と解消方法 にまとめています。
COCORO Pulse.の企画ではどう割り当てたか
COCORO Pulse.の記事の企画表は、サブカテゴリごとにピラー記事を1本置き、残りをクラスター記事にする形で組んでいます(全体の本数と内部リンクのつなぎ方は トピッククラスターの組み方)。
対策キーワードを語の数(スペースで区切った数)で分けると、ピラー記事は66本中25本が1語、34本が2語、3語以上は7本でした。クラスター記事は218本中31本が1語、135本が2語、52本が3語以上です。
この数字からわかるのは、広い語はピラーに、具体的な語はクラスターに寄せて割り当てていることです。この記事自体もそうで、ピラーの「キーワード選定」の下に、「ロングテールキーワード」「検索ボリューム 調べ方」「キーワード カニバリゼーション」などのクラスターを置いています。ただし語の数は検索回数の代わりにはならないので、この数字だけで各記事の検索需要を比べることはできません。
語の数と役割が逆になっている記事もあります。「canonical」は1語ですが、「XMLサイトマップ」をピラーとするテクニカルSEOのサブカテゴリに置いたクラスターです。「SEO 記事 書き方」は3語ですが、記事構成とライティングのサブカテゴリ全体をまとめるピラーです。役割を決めるのは語の長さではなく、その語がテーマ全体を指すか、その一部を指すかです。
やってはいけないキーワード選定とは
キーワード選定でよくある失敗には、Googleが公式に否定している運用と、数字だけで決めてしまう判断の2種類があります。前者はそもそも効果がなく、後者は手間をかけたのに成果につながらない原因になります。
- keywordsメタタグに語を並べる。Google検索はkeywordsメタタグを使っていないとGoogleは説明している
- 本文に同じ語を何度も詰め込む。Googleのスパムポリシーは順位を操作する目的でページをキーワードで埋めることを違反としている
- 言い回しのバリエーションごとにページを量産する(割り当ての章のとおり)
- 流行っているという理由だけで、専門外のテーマに手を広げる
- 検索ボリュームの数字だけで決め、検索意図や自社の強みを確かめない
GoogleのSEOスターターガイドは、同じ言葉を言い回しを変えながら過剰に繰り返すことはユーザーにとって煩わしく、キーワードの詰め込みはスパムポリシーに反すると書いています。ドメイン名やURLにキーワードを入れても、パンくずリストに表示される以外、順位への影響はほとんどないとも説明しています。詰め込みが逆効果になる仕組みは キーワードの詰め込みが逆効果になる理由 で確かめてください。
始める場所はサイトの状況で変わる
新しいサイトは、広い語より先に、サイトの主題に近い具体的な語で表示とクリックを積み上げます。広い語から狙うと成果が出るまでに時間がかかりすぎて、次の語を選ぶ材料が集まらないからだと私たちは考えています。すでに記事があるサイトは、Search Consoleで表示されている語を起点にし、記事が多ければ同じ検索意図の記事が重なっていないかを先に確かめます。
新しいサイトの立ち上げ手順は 新規ドメインのSEO立ち上げ手順 に、選び直した語に合わせて既存の記事を直す進め方は SEOリライトのやり方 にあります。
よくある質問
検索ボリュームが「0」や「データなし」の語は狙う価値がありますか?
あります。ツールの推定に出ない検索も実際には行われていて、問い合わせや営業で実際に聞かれる言い回しなら、検索回数が少なくても狙う価値があります。ただし、ボリュームの大きい語と同じ検索意図なら、別の記事にせず同じ記事の中で答えてください。
AI検索が広がっても、キーワード選定は必要ですか?
必要です。キーワード選定の目的は、語を本文にはめ込むことではなく、書くべきテーマと答えるべき疑問を決めることです。言い回しのバリエーションをそろえるために語を集めるわけではありません。この記事でロングテールを勧めるのも、答えるべき具体的な疑問を見つけるためです。
まとめ
- キーワード選定は「洗い出す」「数字と意図を確かめる」「優先度を付ける」「記事に割り当てる」の4工程で進め、どれを選ばないかを決めることを重視します
- 優先度は「需要」「検索意図に合う記事を出せるか」「自社が一次情報で答えられるか」の3つの物差しで付けます
- 1記事で1つの検索意図に答え、広い語はピラー、具体的な語はクラスターに割り当てます。言い回しごとにページを量産しないでください
参考にした一次情報
- SEO Starter Guide Google Search Central・最終更新 2025-12-10、確認日 2026-10-24
- Spam policies for Google web search Google Search Central・最終更新 2026-08-28、確認日 2026-10-24
- Creating helpful, reliable, people-first content Google Search Central・最終更新 2026-10-05、確認日 2026-10-24
- Optimizing your website for generative AI features on Google Search Google Search Central・最終更新 2026-07-10、確認日 2026-10-24
- Google 広告「キーワード プランナー」製品ページ 確認日 2026-10-24
- Use Keyword Planner Google 広告 ヘルプ・確認日 2026-10-24
- About Keyword Planner forecasts Google 広告 ヘルプ・確認日 2026-10-24
- FAQ about Google Trends data Google トレンド ヘルプ・確認日 2026-10-24
- A deep dive into Search Console performance data filtering and limits Google Search Central Blog・2022-10-19、確認日 2026-10-24
- How Search Works Google・確認日 2026-10-24

