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運用・グロース›AIコンテンツ制作

AIライティングで品質をどう守る?人が受け持つ工程と制作ルールの実例

基礎知識
AIライティング 品質は工程で守る!

「AIに書かせて、最後に人が全部読めば大丈夫」。

AIで記事を作るときによく聞く考え方ですが、それだけでは止まらない問題があります。1本ずつ読んでも見つからない、記事と記事のあいだに出る問題です。

AIライティングとは、生成AIを使って記事などの文章の調査・構成・下書き・推敲を行うことです。SEOの記事で使うときは、AIに任せる作業と、人が判断して責任を持つ作業を工程として分けることが品質の前提になります。

AIライティングの品質は、AIの文章力ではなく工程の設計で決まります。

このメディア、COCORO Pulse.も、AnthropicのClaudeを使って記事を作っています。
本記事では、私たちが実際に使っている制作ルールと、レビューで出た指摘の記録を実例にします。

CONTENTS
  1. AIライティングとは?AIに任せる作業と人が持つ作業
  2. AIで書いた記事はGoogleで不利になる?
  3. 品質は書かせる前に決まる!指示書を文書にする
  4. 経験と一次情報はAIに作らせない
  5. 事実確認と公開前の点検はどこで止める?
  6. 記事をまたいだ重複と型の偏りは横断で見る
  7. AIで作ったことは読者にどう伝える?
  8. AIライティングのツールは指示書と出典の扱いで選ぶ
  9. 導入は1本の記事の工程表を書くところから
  10. よくある質問
  11. まとめ

AIライティングとは?AIに任せる作業と人が持つ作業

調べもの、論点の整理、構成、下書き、表記の点検は、AIと機械(スクリプト)に任せられます。企画、経験と見解、事実の最終確認、公開の判断は人が持ちます。Googleの生成AIコンテンツのガイダンスも、生成AIはテーマを調べるときや、独自のコンテンツに構成を与えるときに特に役立つと書いています。

工程持ち場中身
企画人どの読者に何を届けるか、記事の一覧のどこに置くか
材料集め・構成AI一次情報を探し、論点を整理して構成案を作る
構成の判断人構成案を読み、決めるべき点を選ぶ
経験と見解人私が短い質問に答える
下書き・推敲AI指示書に沿って書き、表記を直す
事実確認・レビューAI+人別のAIが確かめ、人が取捨を決める
公開前の点検機械字数・記号・未確定箇所を自動で確かめる
公開人記事を読んで公開を決める
COCORO Pulse.の工程と持ち場
人 判断と責任 企画 経験と見解 取捨の判断 公開 AI 調べて書く 材料集め・構成 下書き・推敲 事実確認の下調べ 機械 決まりで止める 字数・記号の検査 未確定箇所で停止 公開権限なし 人 判断と責任 企画 経験と見解 取捨の判断 公開 AI 調べて書く 材料集め・構成 下書き・推敲 事実確認の下調べ 機械 決まりで止める 字数・記号の検査 未確定箇所で停止 公開権限なし
図1人が持つのは企画、経験、取捨の判断、公開の4か所

人が手を入れる作業として、私がいちばん気にしているのは記事の冒頭です。タイトルから入ってきた人が、自分の検索に答えてもらえそうだと自然に期待して読み進められるか。ここは、うまく言語化しづらく、感覚を信じてやっている、AIに任せきれない部分です。反対に、記事の中盤の説明や一般的な用語の使い方は、人が考えるよりきれいにAIが書くので任せています。

AIの有無を問わない制作の仕組みは コンテンツ制作の仕組み化、記事の書き方の全体は SEO記事の書き方 で扱っています。

AIで書いた記事はGoogleで不利になる?

AIを使うこと自体は不利になりません。Googleは2023年2月のブログで、どう作られたかではなくコンテンツの品質に注目すると説明しています。問題になるのは、利用者に価値を加えずに大量のページを作ることです。スパムポリシーの「大量生成コンテンツの不正使用」では、生成AIなどで価値を加えずに多くのページを作ることが例の最初に挙がっていて、検索品質評価ガイドラインもその観点(4.6.5・4.6.6)で評価者に最低の評価を求めています。評価者の判断が順位を直接動かすわけではない、ともGoogleは書いています。

大量に作るページの品質の考え方は 大量生成ページがスパム判定されないための品質設計 で扱います。

品質は書かせる前に決まる!指示書を文書にする

AIの出力は、渡した材料と規則の範囲に寄ります。読者、記事の主張、使ってよい出典、書いてはいけないこと、表記のルールを、毎回の指示文ではなく文書にして渡します。指示書が無いまま書かせると、毎回の出来は指示文の書き方しだいになります。

指示書に書く項目は次のとおりです。

  • 読者は誰で、何を知りたくて検索するか
  • 記事で言い切る主張は何か。それは事実か編集部の見解か
  • 使ってよい出典(公式の文書・法令・自社のデータ)と、使わない出典
  • 経験や数字を作らないこと。確かめられない情報は断定しないこと
  • 禁止する表現(煽りの定型、絵文字、AIらしい書き癖)
  • タイトル・説明文・タグ・内部リンクのルール

COCORO Pulse.では、これを数種類の文書に分けています。全記事に共通する制作ルール、記事の型ごとのルール、タイトルと説明文のルール、付けてよいタグの一覧、著者の言葉の別紙です。たとえば「見出しにコロンを使わない」「事実と見解を文末で書き分ける」は共通ルールに、タグは一覧にある語だけを付けることはタグの一覧に書いてあります。

文書にしておくと、ルールを直したときに次の記事から確実に効きます。私が記事を読んで「この言い回しはAIっぽい」と直したら、その言い回しを共通ルールの「避ける書き方」に足します。規程の作り方は 執筆レギュレーションの作り方 で扱います。

経験と一次情報はAIに作らせない

AIは経験を持たないので、経験談、現場の数字、事例は書かせません。私が短い質問に答え、答えは別紙に貯めて次の記事で使い回します。

COCORO Pulse.の決まりは次のとおりです。

  • 経験は作らない。著者の答えが無い箇所は、経験の要件を満たしていないものとして扱う
  • 質問は1記事2問まで。別紙にある答えで書けるものは聞き直さない
  • 質問は「前に伺ったこの考えの続きとして」の形にし、答えの前提をそろえる
  • 音声入力の答えは誤変換を直して使い、問い合わせの案内などは本文に入れない
  • 答えが届くまでは、本文の該当箇所に印を残し、投稿の段階で止まるようにする

聞き方で答えやすさは変わります。答えやすい質問と答えにくい質問の違いについて、私はこう考えています。

答えやすい聞き方

現場で記事を書き、確認し、WordPressに上げて成果を見る、という作業を一通りやってきたので、現場の細かい見えない工数を前提にした質問はとても答えやすいです。反対に、当たり前のことや、誰に聞いても同じ答えが返ってくるような、答えだけを取りに行く質問は答えにくく、面倒に感じます。E-E-A-Tのために著者情報を出して浅い経験を書き足す、という表面だけの対策は、自分のメディアでもとても注意しているポイントです。

一次情報の作り方は 一次情報の作り方、経験の示し方は Experience(経験)をコンテンツで示す具体的な方法 で扱います。

事実確認と公開前の点検はどこで止める?

AIが示した事実は、一次情報を開いて日付まで確かめます。確かめた日を記録し、確かめられないものは断定しません。字数や記号のように機械で確かめられることは、スクリプトで止めます。

COCORO Pulse.では、記事のデータに出典ごとの最終更新日と確認日を残しています。確かめた日を残しておけば、出典が変わったときに直す記事を探せます。レビューでは、書いたAIとは別のAIが、数字・日付・仕様・公式の見解・法令を1つずつ一次情報で確かめ、人が採るかどうかを決めます。

実際に直した例です。

  • 公開済みの記事で、Googleのガイドの更新日を日本語版の日付で書いていたのを、英語版の更新日に直した
  • 説明の出どころだった OpenAI のページが転送されて確かめられなくなったため、「以前説明していた」と書き方を変えた
  • 出典より強い言い方になっていた文を、出典の範囲に戻した

タイトルや説明文、構造化データ、画像の代替テキストも確認の対象です。生成AIの使い方についてのGoogleのガイダンスも、公開前の確認を求めています。書き方の詳細は SEO記事の書き方 にまとめました。

機械で止める例は次のとおりです。

  • タイトルと説明文の検査スクリプトが、字数、禁止語、年号、ほかの記事との重複を確かめる
  • アイキャッチの生成スクリプトが、文字のはみ出しやイラストとの重なりを警告する
  • 投稿のスクリプトは、著者への確認の印が残っていると投稿を止める
  • 投稿用のアカウントには公開の権限が無く、「レビュー待ち」までしか進めない

記事(コラム)は、私が管理画面で読んで公開を決めます。毎日のニュースは別の手順で、複数のチェックを通ったものだけを自動で公開しています。自動化の仕組みは SEO業務の自動化ガイド、確認項目の一覧は 記事公開前チェックリスト で扱います。

記事をまたいだ重複と型の偏りは横断で見る

1本ずつのレビューでは、記事をまたいで同じ引用、同じ事例、同じ言い回し、同じ締めが並ぶ問題は見つかりません。数本ごとにまとめて読み、どの話をどの記事に任せるかを決め直します。

COCORO Pulse.のレビューの記録を数えると、次のようになりました。

事実と出典 記事ごと25本 105 読者と編集者 記事ごと25本 227 シリーズ横断 2回 51 事実と出典記事ごと25本 105 読者と編集者記事ごと25本 227 シリーズ横断2回 51
図2横断のレビューでしか見つからない指摘が2回で51件あった

出所: COCORO Pulse.編集部のレビューの記録(記事ごとのレビュー25本、2026年10月19日〜27日。シリーズ横断のレビュー2回、2026年10月23日・24日)。件数は記録の表と箇条の行数。

横断のレビューで出た指摘の内訳は次のとおりです。

内容1回目(27件)2回目(24件)
持ち分の重なり・著者の枠の重複1513
事実・用語の不統一73
型の偏り35
タイトル・説明文・リンクの文言22
その他01
シリーズ横断のレビューの指摘の内訳

いちばん多いのは、同じ著者の言葉や同じ引用が複数の記事に入っていた、という重なりでした。1本ずつ見ればどれも正しい記事です。AIで書いた記事の弱点は、1本の中より記事と記事のあいだに出ます。

これは編集部の見解ですが、AIはルールに忠実なぶん、同じルールで書いた記事ほど入り方や締め方がそろいやすいと感じています。横断のレビューで「型の偏り」が毎回出ているのがその表れです。どの記事にどの話を持たせるかの考え方は トピカルオーソリティとは で扱っています。

AIで作ったことは読者にどう伝える?

Googleの生成AIコンテンツのガイダンスは、どのように作ったかを伝えると読者に文脈を渡せるとして、読者にとって筋の通る形で作り方の情報を加えることを検討するよう勧めています。義務ではなく、伝え方は読者に合わせてよいという書き方です。記事ごとに書くか、方針ページにまとめるかは、読者が何を知りたいかで決めます。

伝え方向いている場合気をつけること
記事ごとに書く記事によって作り方が大きく違う毎回同じ文が並ぶと読み飛ばされる
方針ページにまとめるどの記事も同じ工程で作る記事からたどれる場所に置く
両方一部の記事だけ特別な作り方をする方針ページと矛盾させない
作り方の伝え方

COCORO Pulse.は、方針ページ「生成AIの活用について」で工程の分担と画像の方針を開示し、記事ごとのクレジットは出していません。どの記事も同じ工程で作っていて、記事ごとに書くと同じ文が並ぶだけになると考えたためです。その代わり、この記事のように工程そのものを記事として開示しています。

画像の作り方とメタデータの付け方は AI画像生成によるアイキャッチ制作と注意点 で扱います。

AIライティングのツールは指示書と出典の扱いで選ぶ

汎用の対話型AIか、記事作成の専用ツールかより、指示書を持たせ続けられるか、出典を確かめられる形で返すか、入力したデータの扱いを設定できるかで選びます。

種類向く作業確かめること
汎用の対話型AI調べもの、構成、下書き指示書を毎回読ませられるか、出典を示すか
記事作成の専用ツール決まった型の下書き自社の規則を足せるか、型が固定されすぎないか
社内の文書とつなぐ仕組み自社のルールに沿った下書きと点検入力したデータの扱い、誰が設定を直せるか
ツールの種類と確かめること

ChatGPTの実務での使い方は ChatGPTのSEO実務活用、Claude とスクリプトで業務を自動化する方法は Claude・Claude CodeでSEO業務を自動化する方法、SEOツール全体の選び方は SEOツールおすすめ比較 で扱います。

生成した文章や画像を使うときは、著作権も確かめます。文化審議会の「AIと著作権に関する考え方について」(2024年3月15日)は、AIで作ったものの著作権侵害も、人がAIを使わずに作る場合と同じく、既存の作品との類似性と依拠性で判断するとしています。文化庁の「AIと著作権に関するチェックリスト&ガイダンス」(2024年7月31日)は、使う前に既存の作品と似ていないかを確かめることを勧めています。引用のルールは 記事における正しい引用の書き方と著作権の基礎 で扱います。

健康やお金に関わるテーマでは、専門家の確認を工程に入れます。医療の分野の考え方は クリニックのSEO対策、YMYL の全体は YMYLとは で扱います。

導入は1本の記事の工程表を書くところから

いきなり量を増やさず、まず1本の記事で「誰がどの工程を持ち、何で止めるか」を表に書きます。数本書いたら、記事をまたいで読み直します。

体制最初に決めること次に読む記事
担当者1人指示書の1枚目と、公開前に必ず確かめる項目「執筆レギュレーションの作り方|テンプレート付き」、「記事公開前チェックリスト|品質を担保する確認項目」
担当者+外注ライターライターに渡す指示書と、AIの使い方の取り決め「SEOライターの採用・ディレクション・教育」、No.264
編集部工程ごとの持ち場と、横断で読む間隔「コンテンツ編集部の体制と役割分担」、「量産と品質を両立する制作パイプラインの設計」
体制別の最初の一歩

外注ライターと組むときは、ライターがAIをどう使うかも確かめます。
私としては、これまで外注しやすかったのはライティングで、これからはライターを選ぶときに生成AIの活用スキルを見る、と考えています。

よくある質問

AIで書いたことを記事に書かないと、ルール違反になりますか?

Googleの文書は、作り方を伝えることを「検討する」よう勧める書き方で、記事ごとの表示を義務にはしていません。読者が「これはどう作られたのか」と思いそうな場合に、読者に合う形で伝えるのがよいでしょう。COCORO Pulse.は方針ページで伝えています。

AIに書かせた文章の著作権は誰のものですか?

文化審議会の「AIと著作権に関する考え方について」は、AIが自動で作ったものは著作物に当たらず、人の指示がアイデアにとどまる場合も著作物性は認められないとしています。人が創作的に寄与した部分や、人が加えた創作的な加筆・修正の部分は、著作物になりえます。個別の判断は専門家に確かめてください。

まとめ

  • 指示書を先に文書にし、経験と最終判断は人が持ちます
  • 事実は一次情報と日付まで戻し、数本ごとに記事をまたいで読み直します
  • 機械で止められることは機械で止め、記事の公開は人が決めます

参考にした一次情報

  1. Google Search's guidance on using generative AI content on your website Google Search Central・最終更新 2026-10-01、確認日 2026-10-31
  2. Google Search Central「Spam policies for Google web search」大量生成コンテンツの不正使用 最終更新 2026-08-28、確認日 2026-10-31
  3. Google Search's guidance about AI-generated content Google Search Central Blog・2023-02-08
  4. Creating helpful, reliable, people-first content Google Search Central・英語版 最終更新 2026-10-05、確認日 2026-10-31
  5. Google「Search Quality Rater Guidelines」2025-09-11版 4.6.5、4.6.6、確認日 2026-10-31
  6. AIと著作権に関する考え方について 文化審議会著作権分科会法制度小委員会・2024-03-15)、文化庁著作権課「AIと著作権に関するチェックリスト&ガイダンス」(2024-07-31)(確認日 2026-10-31
  7. 生成AIの活用について COCORO Pulse.
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