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業種・サイトタイプ別SEO›医療・クリニック

クリニックのSEO対策は何から?集患につながるページと医療広告で書けないこと

基礎知識
クリニックのSEO 書けないことが先!

2018年6月1日から、医療機関のウェブサイトも医療法の広告規制の対象になりました(2017年の医療法改正)。クリニックのサイトに載せる文章は、ブログの記事も含めて、まず広告として読まれる前提で書く必要があります。

クリニックのSEO対策とは、医療機関のサイトが「地域名+診療科」や症状・病名などの検索で見つかり、受診を考える人に選ばれるように、医療広告の規制の範囲でページと情報を整えることです。

一般のSEOとのいちばんの違いは、書いてよい内容が法律で決まっていることです。先に「書けないこと」を決め、その範囲で患者が受診前に確かめたい事実を厚くするのが、クリニックのSEO対策の順番です。

効果をうたう表現で目を引くやり方は、医療法の規制でも、Googleの品質の考え方でも支持されません。

CONTENTS
  1. クリニックのSEOで守る2つの物差し
  2. クリニックのサイトは医療広告に当たる
  3. 治療の効果はサイトにどこまで書ける?体験談・写真・症状の線引き
  4. Googleは医療のページに高い品質を求める
  5. ページは院名・医師名・地域・診療内容・症状の検索に合わせて作る
  6. 症状や病気の解説記事は自院で診る範囲に絞る
  7. Googleマップのプロフィールと口コミはサイトと分けて整える
  8. 予約と電話を数えないと成果は判断できない
  9. 最初の1か月は今あるページの表現を点検する
  10. まとめ

クリニックのSEOで守る2つの物差し

クリニックのサイトには、医療法の広告規制と、Googleの検索の品質の考え方という、別々の物差しがかかります。前者は書いてよい内容の線を引き、後者はその内容が信頼できるかを見ます。

項目医療法の広告規制Googleの品質の考え方
決めるのは国(厚生労働省)と自治体Google
何を見るか書いてよい内容か、誤解させないか情報が正確で、誰が責任を持つか
守らないと指導・命令・罰則の対象になる検索で評価されにくい
主な資料医療広告等ガイドラインと Q&A検索品質評価ガイドライン
2つの物差しの違い
医療法の広告規制 国と自治体が決める 書いてよい内容か 誤解させないか Googleの品質の考え方 Googleが決める 情報が正確か 誰が責任を持つか どちらも確かめられる事実を求める 医療法の広告規制 国と自治体が決める 書いてよい内容か 誤解させないか Googleの品質の考え方 Googleが決める 情報が正確か 誰が責任を持つか どちらも 確かめられる事実を求める
図12つの物差しは別のものだが、どちらも確かめられる事実を求めている

2つは別の仕組みで、医療広告の規制に違反したから検索の順位が下がる、という関係にはありません。それでも、どちらも「客観的で確かめられる情報」を求めている点は同じ方向を向いていると編集部は考えています。医療は、Googleが特に高い品質を求める YMYL(人の健康や安全に関わる)分野です。YMYL の全体像は YMYLとは で扱います。

※この記事は医療広告の規制について判断の目安を示すものです。個別の表現が違反に当たるかどうかは、所管の自治体や保健所が判断します。

クリニックのサイトは医療広告に当たる

厚生労働省の医療広告等ガイドライン(令和8年3月30日最終改正。この改正で名称が「医療広告ガイドライン」から変わりました)は、患者の受診を誘う意図(誘引性)、医療機関や医師が特定できること(特定性)、医療に関する内容の3つがそろえば医療広告とします。クリニックのサイトはこれに当たります。「これは広告ではありません」と書いても、病院名が書かれていれば広告として扱われます。

広告できる事項は法律で限られていますが、サイトは4つの要件を満たせば、その限定を外して詳しく書けます(限定解除)。限定を外しても、虚偽や誇大、体験談などの禁止は外れません。

禁止される広告例
虚偽広告根拠のない「満足度98%」
比較優良広告「地域No.1」「日本一」(事実でも不可)
誇大広告根拠なくリスクを強調して受診を促す
公序良俗に反する広告わいせつ・差別的な表現
広告可能事項以外の広告限定解除を満たさないページでの治療の効果
体験談患者の感想による治療の効果
誤認させる治療前後の写真説明の無いビフォーアフター
禁止される広告(医療広告等ガイドライン 第3-1)

このほか、品位を損ねる内容と、ほかの法令で禁じられた内容の広告も「厳に慎むべき」とされています。

要件内容
①患者が自ら求めて入手する情報を表示するサイトであること
②問い合わせ先を明示すること
③自由診療の通常必要な治療内容と費用を示すこと
④自由診療の主なリスクと副作用を示すこと
限定解除の4つの要件(医療広告等ガイドライン 第3-3)

③と④は、自由診療について載せる場合だけの要件です。

1 広告に当たる? サイトはほぼ当たる 2 禁止の類型? 当たれば書けない 3 広告できる事項? 当たれば書ける 4 限定解除の要件 満たせば書ける 書けない(虚偽・体験談など) 自由診療は費用とリスクも 1 広告に当たる? サイトはほぼ当たる 2 禁止の類型? 当たれば書けない 3 広告できる事項? 当たれば書ける 4 限定解除の要件 満たせば書ける 書けない 自由診療は費用とリスクも同じページに
図2サイトに書けるかは、禁止の類型から先に確かめる

サイトは限定解除の要件を満たせば書ける範囲が広がりますが、虚偽・誇大・体験談などの禁止は外れません。

自然検索とお金を払って出す広告では、書ける範囲が違います。ガイドラインは、バナー広告や、検索結果にスポンサーとして出る表示、費用を払って上位に出した表示は要件①を満たさないとしています。同じ内容でも、検索で見つけて読まれるページには書けて、検索広告の文面には書けないことがあります。

違反すると、行政指導から、報告命令や立入検査、中止命令・是正命令へと進みます。虚偽広告と命令への違反には罰則があり、ガイドラインには「6月以下の懲役又は30万円以下の罰金」と書かれています(今の医療法では、2022年成立の刑法改正にともない2025年6月1日から「拘禁刑」)。相談先は所管の自治体や保健所で、厚生労働省の「医療機関ネットパトロール」にも情報を寄せられます。類型ごとの事例と、SNSや広告の出稿で気をつけることは、医療広告ガイドラインの記事にまとめます。

治療の効果はサイトにどこまで書ける?体験談・写真・症状の線引き

治療の効果は、広告できる事項ではありません。限定解除の要件を満たしたサイトでも、効果を書くなら、求められたときに根拠を示して客観的に実証できる必要があります。SEOでよく勧められる施策のいくつかは、ここで止まります。

SEOの施策ガイドラインでの扱い根拠の箇所
患者の口コミを自院サイトに載せる体験談の広告で不可。都合のよい感想を選ぶと虚偽・誇大にも当たる指針 第3-1、Q&A A2-9
Googleマップの口コミ・SNSの投稿依頼や費用負担が無ければ広告ではない。自院サイトへの転載は別Q&A A2-11、Q1-18
症例写真(ビフォーアフター)治療内容・費用・主なリスクの詳しい説明を添えれば可。術前だけ・術後だけも同じ指針 第3-1、Q&A A2-8
「2週間で90%に効果」治療の効果の表現は広告できないQ&A A2-16
「命に関わるので今すぐ受診を」根拠なくリスクを強調して受診へ誘うのは誇大広告指針 第3-1
「地域No.1」「最高の医療」比較優良広告。事実でも不可指針 第3-1
手術件数期間を併記すれば可。医師個人の件数は不可Q&A A3-16、A3-17
専門医の表記認定した団体を明記する。「厚生労働省認定」は虚偽指針 第3-2
自由診療の料金標準的な費用・期間・回数とリスクを、リンク先や小さな文字に逃がさず示す指針 第3-3、Q&A A6-11
「ガイドライン準拠」のアピール過度な記載は誇大広告の可能性。厚労省のマークは原則使えないQ&A A6-13
SEOでよく勧められる施策とガイドラインでの扱い(判断の目安)

効果を言い切る文は、確かめられる事実に置き換えます。診療内容、費用、主なリスクと副作用、件数と期間です。「よく効く」を「この治療は〇回・〇週間が標準で、主な副作用は〇〇」に変えるだけで、規制の内側に入り、受診を考える人にも役立つ情報になります。

判断の基準

ウェブサイトに載せる情報は広告に当たるので、ガイドラインを守ることが大原則です。そのうえで私が気をつけているのは、院長や現場から上がってくる原稿です。ガイドラインを気にせずに書かれていることが少なくないので、載せる前に必ず確認しています。

Googleは医療のページに高い品質を求める

Googleの検索品質評価ガイドラインは、健康や安全に関わるテーマを YMYL とし、より高い基準で見るよう評価者に求めています。評価者の判断が個々のページの順位を直接動かすわけではありませんが、Googleが何をよい医療情報と考えているかがわかります。

医療のページでは、誰が書き、誰が責任を持っているかをたどれるようにします。具体的には、医師の氏名と略歴、医療機関の名称、所在地、連絡先です。医師の氏名や略歴は、医療法で広告できる事項にも入っています(第6条の5第3項第9号)。2つの物差しが重なるところです。

医療のページで差がつくのは文章の量より、書き手と責任者の情報が確かめられることです。これは編集部の見解です。経験・専門性・権威性・信頼性(E-E-A-T)の考え方は E-E-A-Tとは、著者情報の設計は 著者情報・監修者情報の正しい設計 で扱っています。

専門医と書けるのは、日本専門医機構などの認定や、届出のある学会の認定に限られ、認定した団体の名前を添えて書きます。単に「〇〇専門医」と書くと誇大に、「厚生労働省認定」と書くと虚偽になります。監修を付けるなら、「誰が、どの範囲を確かめたか」がわかるように書きます。体制と表記の方法は 医師監修の体制づくりと表記方法 で扱います。

ページは院名・医師名・地域・診療内容・症状の検索に合わせて作る

クリニックを探す検索は、院名や医師名、地域名+診療科、検査・治療や予防接種の名前、症状・病名に分かれます。それぞれを受け止めるページを決め、広告上の注意を添えて作ります。

検索の種類受け止めるページ載せる事実広告上の注意
院名・医師名トップ、医師紹介、アクセス診療時間、休診日、医師の略歴診療時間や医師数は最新にする
地域名+診療科トップ、診療案内診療科、場所、駐車場、予約方法診療科名は法令で認められた名前
検査・治療・予防接種治療ページ、予防接種のページ流れ、回数、費用、主なリスク自由診療は費用とリスクを同じページに
症状・病名症状の解説自院で診る範囲、検査の流れリスクを強調して受診を誘わない
検索の種類と受け止めるページ

私が支援しているクリニックでは、問い合わせにつながっているのは、予防接種やワクチンの検索、医師の名前の検索、症状の検索でした。Search Console を見ても、医師の名前や予防接種のように、受診の前に計画的に調べる検索が意外と多く、突然の風邪のような症状の検索は思ったより少ない印象です。地元の患者が受診の前に調べる言葉を、ページで先に押さえておくことが大切です。

事実の鮮度は、SEOと規制の両方に関わります。ガイドラインは「医師数〇名(〇年〇月現在)」と書いたあとに医師が大きく減った場合を、誇大広告の例に挙げています。診療時間、医師、料金は、変わったらすぐに直します。地域名と業種でページを作る考え方は 店舗サイトのSEO設計、地域キーワードの選び方は 地域キーワードの選定とページ設計、分院のある医療法人は 多店舗展開サイトの店舗ページ設計 が参考になります。

症状や病気の解説記事は自院で診る範囲に絞る

一般的な症状の解説は、公的機関や大病院、医療メディアと同じ検索を争うことになります。地域のクリニックが書くなら、自院で診る範囲、検査の流れ、受診の目安を、リスクを強調しない書き方でまとめます。

書くかどうかは、次の3つで決めます。

  • 自院で対応できる症状や病気か
  • 院の医師が内容を確かめられるか
  • 地域の患者が受診の前に知りたいことか

受診を促す文には注意が要ります。ガイドラインは「こんな症状が出ていれば命に関わりますので、今すぐ受診ください」のように、根拠が乏しいままリスクを強調して受診へ誘う文を誇大広告の例に挙げています。受診の目安は、どの症状がどのくらい続いたら相談するか、という事実で書きます。

症状の記事は件数を増やすより、診療ページへの橋渡しになる数本を、医師の確認つきで書くほうがよいと考えます。前の章で見たとおり、受診につながる検索は計画的に調べる言葉が中心で、症状の語の検索は思ったほど多くないからです。AI Overviews など検索のAI機能も、通常の検索と同じ仕組みの上に作られています(AI Overviews対策の完全ガイド)。

YMYL の分野で、規模の小さいサイトがどう戦うかは YMYLジャンルで中小サイト・個人が戦う現実的な方法 で扱います。

Googleマップのプロフィールと口コミはサイトと分けて整える

「地域名+診療科」の検索では、地図の枠(ローカルパック)が先に目に入ることが多くあります。ビジネスプロフィールには医療機関と医師個人の作り方の決まりがあり、口コミの集め方にはGoogleの禁止事項があります。

  • 医師は「個人専門家」としてプロフィールを持てる。同じ診療所に複数の医師がいるときは、診療所のプロフィールを別に作り、医師のプロフィールには医師の名前だけを入れる
  • 口コミは、実際の体験にもとづく投稿をお願いするのはよい
  • 割引や無料の施術などの見返りと引き換えに口コミを書いてもらう
  • 好意的な患者だけを選んで頼む、否定的な口コミを書かせないようにする
  • その場で書くよう求める

Googleマップの口コミを自院のサイトに埋め込んだり、抜き出して載せたりすると、体験談の広告に当たる恐れがあります。マップの口コミそのものは患者の投稿でも、医療機関が自分のサイトに選んで載せれば、医療機関の広告になるからです。

クリニックのビジネスプロフィールの整え方は次の記事で扱います。MEO全体は MEO対策の完全ガイド、設定は Googleビジネスプロフィールの設定完全ガイド、口コミの依頼の仕方は 口コミの増やし方と依頼方法 にまとめています。

予約と電話を数えないと成果は判断できない

クリニックの成果は来院です。サイトで数えられるのはその手前の、予約フォームの送信、予約システムへの移動、電話番号のタップです。GA4 のキーイベントと、ビジネスプロフィールの通話の数で見ます。

数えるものどこで数えるか
予約フォームの送信GA4 のキーイベント
予約システムへの移動GA4 のキーイベント(リンクのクリック)
電話番号のタップGA4 のキーイベント、通話の記録
ルート検索・通話ビジネスプロフィールのパフォーマンス
クリニックのサイトで数えるもの

外部の予約システムに移ると、予約の完了までは数えにくくなります。その場合は、移動の数と、予約システム側の予約数を月ごとに並べて見ます。電話や来院の数え方は 電話・オフラインコンバージョンの計測方法、キーイベントの設定は GA4のイベント・キーイベント設定の実務 で扱います。

順位は、予約や電話にたどり着くまでの途中の数字です。順位が上がっても予約が増えないなら、受け止めるページと検索の組み合わせを見直します。SEO経由の成果の見方は SEO経由コンバージョンの計測と改善 にまとめます。

最初の1か月は今あるページの表現を点検する

新しい記事を足す前に、今あるページで禁止の類型に当たる表現を直し、診療時間・医師・料金の事実を最新にします。そのうえで、受け止めるページが無い検索から作ります。

状況最初にやること次にやること
開業前診療案内・医師紹介・料金・アクセスを、書ける範囲で作る予約と電話を数える設定
運営中で記事が少ない体験談・効果・比較優良の表現を点検して直す予防接種や医師名など、受診前に調べる検索のページ
リニューアル制作会社の原稿も含めて表現を点検する古いページの転送と、診療時間・料金の更新
状況別の着手順

医療広告の規制は「何人も」が対象で、ガイドラインのQ&Aは、サイトの運営会社や広告を作った制作会社にも是正命令や罰則がありうるとしています(A5-2)。リニューアルで制作会社に原稿を任せるときも、公開前の確認は医療機関の側で行います。違反かどうか迷う表現は、所管の自治体や保健所に相談します。

まとめ

  • 体験談、治療の効果、比較優良、誤解させる写真など、書けないことを先に決めます
  • 診療内容、費用とリスク、医師、時間と場所という確かめられる事実を、検索の種類ごとのページで厚くします
  • 予約フォーム、予約システムへの移動、電話のタップを数えて判断します

参考にした一次情報

  1. 厚生労働省「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針 医療広告等ガイドライン)」(令和8年3月30日最終改正、確認日 2026-10-31
  2. 医療広告等ガイドラインに関するQ&A 厚生労働省・令和8年3月改定、確認日 2026-10-31
  3. 厚生労働省「医療広告規制におけるウェブサイト等の事例解説書 第6版)」(令和8年3月作成、確認日 2026-10-31
  4. 医療法における病院等の広告規制について 厚生労働省・確認日 2026-10-31
  5. e-Gov 法令検索「医療法」第6条の5、第87条 確認日 2026-10-31
  6. 医療機関ネットパトロール
  7. Google「Search Quality Rater Guidelines」2025-09-11版 YMYL、確認日 2026-10-31
  8. Google でのビジネス情報に関するガイドライン Google ビジネス プロフィール ヘルプ・個人専門家、確認日 2026-10-31
  9. 禁止および制限されているコンテンツ Google マップ ユーザー投稿コンテンツ ポリシー・評価の操作、確認日 2026-10-31
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