SEOの結果を確かめようとGA4を開くと、左のメニューには「集客」「エンゲージメント」「収益化」が並び、レポートは何十もあります。どこを開けば「検索から来た人が問い合わせに進んだか」がわかるのか、迷う人は多いのではないでしょうか。
GA4(Googleアナリティクス4)は、Googleが無料で提供するアクセス解析ツールで、サイトに来た人がどこから来て、どのページを見て、問い合わせや購入などの成果に至ったかを数えます。SEOでは、検索から来た後の行動と成果を確かめるのに使います。
結論、SEO担当者がGA4で見るレポートは4つで足ります。
トラフィック獲得、ランディングページ、Search Console のレポート、ページ別のキーイベントです。検索結果の中の数字(表示回数・クリック・掲載順位)は Search Console に任せます。
ただし、見る前に整えておく設定があります。キーイベントと Search Console とのリンクは、設定した日より前の数字をあとから取り戻せません。
CONTENTS
GA4は検索から来た後を見る
Search Console はGoogleの検索結果の中で起きたこと、GA4 はサイトに着いた後に起きたことを数えます。2つの数字が一致しないのは、数える場所と数え方が違うためです。
「検索から来た人は成果に至っているか」という問いには、GA4 でしか答えられません。反対に、どの検索語で来たかは GA4 だけではわかりません。Search Console とリンクして、ページを介して結びます。
2つのツールの数字が合わない理由と、Search Console の見方は Search Console完全ガイド で扱っています。
見る前に整える設定は3つ
整える設定は、キーイベント、Search Console とのリンク、データ保持期間の3つです。キーイベントとリンクは、設定した日より前の数字をあとから埋められません。最初の週に済ませます。
キーイベントで成果を数える
キーイベントは、ビジネスの成果にとって特に重要な行動を数えるイベントです(アナリティクス ヘルプ)。SEOで数えるのは、問い合わせの完了、資料請求、予約、電話番号のタップなどです。キーイベントが無いと、検索から来た人が成果に至ったかを数えられません。設定の手順は GA4のイベント・キーイベント設定の実務 で扱います。
Search Console とリンクする
Search Console とリンクすると、GA4の中で検索語やページごとの検索の数字が見られるようになります。リンクを作るには、GA4のプロパティの編集者の役割と、Search Console のプロパティの確認済み所有者の両方が要ります。1つのウェブデータストリームにリンクできる Search Console のプロパティは1つだけです。
リンクしただけでは、レポートのメニューに Search Console のレポートは出ません。Search Console のレポートのコレクションは既定で非公開なので、「ライブラリ」で公開します。データは収集から48時間後に使えるようになり、最大16か月分まで見られます。
データ保持期間を14か月にする
データ保持期間は、通常のプロパティでは2か月か14か月を選べます。この設定が効くのは「探索」とファネルのレポートだけで、標準のレポートには影響しません。それでも、探索で前年と比べたいときに2か月のままだと過去が見られないので、14か月にしておきます。
点検の習慣
長くこの仕事をしていると、キーイベントが設定されていない、タグが発火していない、といった設定の抜けはひととおり経験します。私は、チェックシートの形で抜け漏れがないかを確かめるようにしています。最近は、設定の確認にAIも使っています。
検索からの訪問はトラフィック獲得の「オーガニック検索」で見る
検索からの訪問は、「集客」の「トラフィック獲得」で、セッションのデフォルト チャネル グループが「オーガニック検索」の行を見ます。オーガニック検索は、検索結果の広告以外のリンクから来た訪問で、GoogleのAI Overviews(AIによる概要)と AIモードからの訪問も含まれます(アナリティクス ヘルプ)。
ChatGPT や Gemini などのAIアシスタントからの訪問は、2026年5月13日に加わった「AI アシスタント」のチャネルに分かれます。2026年6月11日には、同じサービスの参照元の表記をまとめる「Source Group」のディメンションも加わりました。
チャネルどうしを比べるときは、セッションの数で見ます。同じ画面には「最初のユーザーの〜」で始まる指標もありますが、こちらは初めて来たときの経路で数えるので、混ぜると数字が合わなくなります。経路の数え方の違いは AI経由の流入を計測する方法 と GA4のチャネル・参照元の見方 で扱います。
COCORO Pulse. の数字で見ると、次のようになります。
| チャネル | セッション | キーイベント |
|---|---|---|
| ダイレクト | 38 | 0 |
| オーガニック検索 | 3 | 0 |
| 参照 | 1 | 0 |
このメディアは10月下旬に計測を始めたばかりで、検索からの訪問はまだ3セッションです。※プロパティはブランドサイトと共通のため、ランディングページが /pulse/ で始まるセッションに絞っています。立ち上げ直後はこのくらいの数から始まります。
どのページが検索から読まれているかはランディングページで見る
「エンゲージメント」の「ランディング ページ」を、オーガニック検索に絞って見ます。セッション、エンゲージメント率、キーイベントを並べ、検索から多く着くのに続きが読まれないページや、成果が出ないページを見つけます。
絞り込みは、レポートの上の「比較を追加」か「フィルタを追加」で、セッションのデフォルト チャネル グループを「オーガニック検索」にします。毎回の設定が手間なら、絞った状態のレポートを保存しておきます。
エンゲージメント率は、10秒以上続いた、キーイベントが起きた、2ページ以上見られた、のどれかに当たるセッションの割合です。その反対が直帰率です。どちらも多くのレポートでは最初から表示されていないので、レポートのカスタマイズで列に足します。
私がGA4で最初に把握するのは、ユーザー数と、流入の多いページがどこかです。オウンドメディアでは、いちばん欲しいリード獲得のキーワードではなく、ちょっとした情報をまとめたページに人が集まっていることがよくあります。目的に合う情報を届けられているかを、ここで確かめます。
ランディングページに「(not set)」という行が出ることがあります。ヘルプは、セッションの中でページビューのイベントが起きていない場合を理由に挙げています。行の数が多いときは、タグの入れ方や同意の設定を確かめます。
検索語やユーザー属性を含むレポートでは、ユーザーが少ない行が表示されないことがあります(データのしきい値)。しきい値は利用者が調整できず、期間を広げるか、BigQuery にエクスポートしたデータで見るのが対処になります。
検索から多く着くのに成果につながらないページは、リライトの候補になります。選び方は リライト対象記事の選び方 で扱います。
Search Consoleの2つのレポートで検索語とページを結ぶ
Search Console とリンクすると、「Google オーガニック検索クエリ」と「Google オーガニック検索トラフィック」の2つのレポートが使えます。前者は検索語ごとの Search Console の数字、後者はランディングページごとに、Search Console の数字とGA4の数字を並べたものです。
| 項目 | 検索クエリのレポート | 検索トラフィックのレポート |
|---|---|---|
| 行の単位 | 検索語 | ランディングページ |
| Search Console の数字 | 表示回数・クリック・掲載順位 | 表示回数・クリック・掲載順位 |
| GA4 の数字 | 出ない | エンゲージメント・キーイベント |
| 検索語ごとの成果 | 出ない | 出ない |
どの検索語で成果が出たかは、GA4でも直接は出せません。検索語と成果のあいだは、ランディングページを介して推し量ります。「このページはこの検索語で表示されていて、このページから着いた人が問い合わせている」という読み方です。
2つのレポートでは、Search Console の数字と組み合わせられるのは、Search Console 側の項目と、GA4のランディングページ・デバイス・国だけです。期間を比べるグラフにも対応していません。検索語の分析は 検索パフォーマンスレポートの見方と分析例 で扱います。
検索から来た人が成果に至ったかはキーイベントをページ別に見る
ランディングページとキーイベントを組み合わせ、検索から着いて成果に至ったページを見ます。問い合わせ完了のページではなく、最初に着いたページで数えるのがSEOの見方です。
ランディングページのレポートで、オーガニック検索に絞ったまま「キーイベント」と「セッションのキーイベント率」の列を見ます。キーイベントの名前で絞れば、問い合わせだけ、資料請求だけ、と分けて数えられます。
キーイベントの数え方には、「どこから来たセッションか」で数えるものと、「成果に至るまでに経由したどの経路の手柄とするか」で数えるものがあります。後者はアトリビューションと呼ばれ、レポートによって使い分けられています。どちらで数えるかを1つに決めて、毎月同じ数え方で見ます。考え方は アトリビューションの考え方とSEOの貢献評価 で扱います。
SEO経由の成果をどう改善するかは SEO経由コンバージョンの計測と改善 にまとめます。
標準レポートで足りないときに探索とダッシュボードを使う
ページと参照元とキーイベントの掛け合わせなど、標準レポートで出ない切り口は「探索」で作ります。毎回同じ数字を並べるなら、ダッシュボードか Data Studio(旧Looker Studio)を使います。
探索は自由に行と列を組める分析の画面で、ページの経路やファネルも作れます。前の章で触れたとおり、探索で見られる期間はデータ保持期間で決まります。
2026年9月9日からは、追いたい数字を1つの画面にまとめる「ダッシュボード」がGA4の中で使えるようになりました。ほかのデータと合わせて見たいときや、社内に配る形にしたいときは Data Studio(旧Looker Studio。2026年4月に名前が戻りました)を使います。
長い期間の全件を扱うなら BigQuery へのエクスポート、定期的な取り出しの自動化なら Data API を使います。探索の使い方は次の記事で扱います。
GA4は4つのレポートを保存するところから
最初の週に3つの設定を整え、4つのレポートをオーガニック検索で絞った形で保存しておきます。数字が動いたときの理由の切り分けと報告の作り方は、月次レポートの記事に任せます。
| 立場 | 最初にやること | 次に読む記事 |
|---|---|---|
| SEOを始めたばかり | キーイベントと Search Console のリンクを設定する | 「GA4のイベント・キーイベント設定の実務」、「GA4とSearch Consoleの連携手順」 |
| 記事を運用中 | 4つのレポートをオーガニック検索で絞って保存する | 「リライト対象記事の選び方|Search Consoleでの抽出手順」、「GA4×BigQuery連携の始め方」 |
| 成果を報告する | ページ別のキーイベントを月ごとに記録する | 「月次SEOレポートの作り方|経営層に伝わる構成」、「SEOのKPI設計|フェーズ別に追うべき指標」 |
- 数字が動いた理由を切り分けたい → トラフィック減少時の原因分析手順
- 月次のレポートを作りたい → 月次SEOレポートの作り方
- 何を目標の数字にするか決めたい → SEOのKPI設計
よくある質問
GA4で検索キーワードは見られますか?
GA4だけでは見られません。Search Console とリンクすると「Google オーガニック検索クエリ」のレポートで検索語ごとの数字が見られます。ただし、検索語ごとの成果(キーイベント)は出せないので、ランディングページを介して推し量ります。
ユニバーサル アナリティクス(UA)の直帰率と同じものですか?
同じ名前でも数え方が違います。GA4の直帰率は、エンゲージメント率の反対、つまり10秒以上続かず、キーイベントも2ページ目の閲覧も無かったセッションの割合です。UAの直帰率と並べて比べるのはやめましょう。
ChatGPTなどAIからの訪問はオーガニック検索に入りますか?
GoogleのAI Overviews と AIモードからの訪問はオーガニック検索に入ります。ChatGPT や Gemini などからの訪問は「AI アシスタント」のチャネルに分かれます。AIからの訪問の見方は AI経由の流入を計測する方法 で扱っています。
まとめ
- GA4は検索から来た後の行動と成果を見るツールで、検索結果の中の数字は Search Console で見ます
- キーイベント、Search Console とのリンク、データ保持期間の3つを先に整えます
- トラフィック獲得、ランディングページ、Search Console のレポート、ページ別のキーイベントの4つを、オーガニック検索で絞って見ます
参考にした一次情報
- [GA4] Search Console とのリンク アナリティクス ヘルプ・確認日 2026-10-31
- [GA4] デフォルト チャネル グループ アナリティクス ヘルプ・確認日 2026-10-31
- [GA4] エンゲージメント率と直帰率 アナリティクス ヘルプ・確認日 2026-10-31
- [GA4] データ保持 アナリティクス ヘルプ・確認日 2026-10-31
- [GA4] データのしきい値 アナリティクス ヘルプ・確認日 2026-10-31
- [GA4] キーイベント アナリティクス ヘルプ・確認日 2026-10-31
- [GA4] (not set) 値について アナリティクス ヘルプ・確認日 2026-10-31
- What's new in Google Analytics Google Analytics・2026-02-10、2026-05-13、2026-06-11、2026-09-09 の項、確認日 2026-10-31
- Data Studio returns as new home for Data Cloud assets Google Cloud Blog・2026-04-11、確認日 2026-10-31
